ゴォーン!ゴォーン!除夜の鐘と同時に山門が開き、大勢の初詣客が境内に。 毎年、ここ豊川稲荷には多くの初詣客が訪れます。 かつては私も、徹夜の販売員として大晦日の夜と新年を豊川稲荷門前(※1)の店で迎えていました。初詣を終えて顔を出してくれるお得意様を迎える時間は、商売人冥利に尽きるの一言です。 毎年全国からのお客様とお会いできる、ヤマサにとって大切な場所、豊川稲荷の山主方丈様をお訪ねしてきました。 |
本宮方丈様をお訪ねしたのは、秋の大栄講が終わった気持ちの良い日。 方丈様は、先代の福山方丈様が大本山永平寺の貫首としてお上がりになった後を受けて、四年前に方丈に就任されました。穏やかな口調、優しい眼差し、凛とした姿勢。昭和27年のお生まれで、私と6才しか違わないと伺い、失礼ながら大変身近な存在となりました。
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佐藤: | 東三河のPR事業や、ヤマサちくわの東京でのイベントに使わせていただこうと考えています。 |
本宮: | 大栄講の歴史についてお尋ねがありましたが、はっきりした資料がありませんでした。120年ほど前に誕生したということです。豊橋をはじめ、各地に大栄講ができ、戦後最大になった時は、1万人以上の会員がいたそうです。 |
佐藤: | ヤマサでは、大栄講豊橋組の講元を長年お引き受けしてまいりました。現在の講元は6代目です。3月19日と9月19日の年2回、300人以上が集まってご祈祷をしています。精進料理を食べて、世間話をして解散。こんな時間の使い方もいいですね。 |
本宮: | お参りに来た時に、家内安全、交通安全、商売繁盛・・・と、いっぺんに沢山のお願いをする人が多いですが、この日一日は『一つのお願いをしよう』とお参りすることが大切です。 |
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本宮: | はい。雲・従・龍で、『雲、龍に従う』と読みます。上の人が立派だと周りの人、下の人がついてくる、という意味なんです。 |
佐藤: | 来年の干支はちょうど龍です。時期を得た言葉です。心してさらに精進したいと思います。 ありがとうございました。 |
千体以上の狐の石像が安置され、厳粛な空気漂うパワースポット「霊狐塚」。 |
おもだか(妙厳寺の定紋) ある武将が戦に赴く際に持参し戦勝したといわれる。 |
稲穂(ダ枳尼眞天の定紋) ダ枳尼眞天が担ぐ稲穂。柱ななどにみられる。 |
宝珠(ダ枳尼眞天の定紋) かならず願いが叶うといわれる珠。本殿の瓦などにみられる。 |
商売繁盛の神様として全国的に知られ、京都の伏見稲荷とともに日本三大稲荷の一つと言われる豊川稲荷。「稲荷」と称されていますが、正式の名を「円福山豊川閣妙厳寺(えんぷくざんとよかわかくみょうごんじ)」と言い、実は曹洞宗の寺院です。本尊は千手観音で、「稲荷」は鎮守として祀られているダ枳尼眞天(だきにしんてん)のこと。今川義元、織田信長、徳川家康、渡辺崋山など時の武人や文人をはじめ、広く一般信者から帰依信仰を集めた由緒ある寺院です。
妙厳寺の年間行事
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(掲載日:2011年11月)